子どもが頭をぶつけた!!どうしよう!?

  • 「お子さんが頭をぶつけた」と思われた場合は、まずは慎重に経過を観察していただき、医療機関を受診すべきかをご検討ください。

  • 以下のような症状がある場合には、医療機関の受診をおすすめいたします。

    • 意識がはっきりしていない

    • 元気がない

    • 顔色が悪い

    • 嘔吐している

    • けいれんしている

    • 乳児であればミルクの飲みが悪い

    • 呼吸が苦しそう、不規則な呼吸をしている

  • ​お子さんの場合は、ぶつけた直後に症状が現れない場合がありますので、ぶつけてから24時間ほどは慎重に経過をみてください。

病院を受診したほうがいいのか迷った時に・・・

 

​まずは慎重に経過をみる

小児の頭部外傷では、小児特有の性質から慎重に経過をみる必要があります。

新生児は、脳内に出血があっても症状が出にくく、一方、乳幼児は転倒、頭部外傷の事実がはっきりしなかったり、症状がうまく訴えられなかったりするため、「子供が頭を打ったかもしれない....!」というご不安を抱えて来院される保護者の方が多くいらっしゃいます。

 

このページでは、お子さんが頭をぶつけた際に、どのような点に注意して経過をみるべきかをご説明させていただき、さらに、どのような状況であれば詳しい検査が必要かをお伝えいたします。

 

まずは、以下のような状態がないかをしっかりと観察してください。

  • 意識がはっきりしていない

  • 元気がない

  • 顔色が悪い

  • 嘔吐している

  • けいれんしている

  • 乳児であればミルクの飲みが悪い

  • 呼吸が苦しそう、不規則な呼吸をしている

これらの症状がある場合には、必ず医療機関を受診しましょう。

頭をぶつけた直後に症状がはっきり出ていなくても、子どもの場合には時間が経ってから症状が出てくることがあります。

頭をぶつけてから24時間くらいは、上述したような症状が出ていないか慎重に観察していただく必要があります。

頭部外傷の種類

お子さんの頭部の外傷をいくつかご紹介します。

  1. ​脳振盪(のうしんとう)

  2. びまん性軸索損傷(びまんせいじくさくそんしょう)

  3. 良性頭部外傷後脳症候群(小児頭部外傷後嘔吐症)

  4. 頭蓋内の血腫

  5. 頭の表面の腫れ(たんこぶ)

  6. 脳の腫れ

脳振盪(のうしんとう)

意識が6時間以内に回復します。

特に脳には異常所見はなく、意識障害がないものから高度のものまで幅広いです。

びまん性軸索損傷(びまんせいじくさくそんしょう)

意識障害が6時間以上続き、脳の中に血腫などがないものを指します。

軽症なものから、外傷後意識状態の悪化が続く重症のものまであります。

良性頭部外傷後脳症候群(小児頭部外傷後嘔吐症)

小児や若年成人が頭部外傷後に暫くは意識障害もない状態があり、しばらくしてから嘔吐したり、顔色が悪くなり、眠ってしまうことがあります。

また、意識障害、痙攣をおこす場合もあります。

 

後遺症を残すことなく回復しますが、その他の脳内の出血、腫れを伴う疾患と区別する必要があるため、レントゲンで骨折があるかどうか、CTやMRIで脳の腫れがあるかどうかを見ておく必要があります。

頭蓋内の血腫

硬膜上血腫、硬膜下血腫、脳内血腫などがあります。頭蓋に血の塊(血腫)がある状態です。

このような状態の場合には早期の治療が必要になります。

頭の表面の腫れ(たんこぶ)

頭の皮膚は血管が多いため、外傷の後に頭が「こぶ」として腫れることがあります。この腫れは皮膚内の組織がダメージを受けてむくんだり、皮膚の下で血腫ができたりします。腫れている部分が骨折して陥没しているところをカバーしてしまい、骨折の有無が分からない場合がありますので、頭部に腫れがある場合には画像検査も踏まえ、注意が必要です。

脳の腫れ

小児では成人に比して外傷後に脳の腫れやすい事が知られています。重症の場合には命にかかわることもありますので、厳重な観察が必要です。

 

英国国立医療技術評価機構のガイドライン

続いて、英国国立医療技術評価機構(NICE)が提唱している、頭部外傷後CTを撮った方が良いと思われるガイドラインをご紹介します。

こちらのガイドラインでは、以下のうち1つでも当てはまる場合にはCTによる確認が必要とされています。

  1. 5分以上の意識消失

  2. 5分間の記憶がない

  3. 傾眠傾向(眠りがち)

  4. 連続しない3回以上の嘔吐

  5. 虐待の疑い

  6. 外傷後のけいれん

  7. 意識状態の評価点数が悪い

  8. 骨が折れていて、脳が腫れている状態

  9. 頭蓋骨の底の部分が折れている兆候:頭の周りの液体が鼻から出てくる、眼瞼の下、周りに皮下出血がみられるなど

  10. 神経学的所見あり(手足の麻痺、しびれなどの症状がある)

  11. 1歳以下で頭部に5cm以上の打撲痕、腫脹、挫創あり(1歳以下で頭部の傷、腫れが5cm以上)

  12. 危険な受傷機転:高エネルギー外傷、3m以上の転落など(高いところから落ちた、勢いよくぶつけた)

頭部外傷後、いつもと違う様子がある場合には、医療機関の受診をするようにお願いします。

特に重篤な症状がある場合には、すぐに画像検査が可能な施設への受診をお勧めします。

 

受傷後、24時間は症状が変化する場合がありますので、慎重に経過を観察してください。