川崎病とは、1960年代に川崎富作氏によって報告された、子供に特有の病気です。

​はっきりとした原因については明らかになっておらず、ウイルスや細菌の感染をきっかけとして、免疫反応によって全身の血管で炎症が起きてしまうのではないかと言われています。

​【執筆者】

キャップスクリニック総院長 白岡 亮平

もくじ

 

川崎病ってどんな病気?

川崎病って聞いたことがありますか?

子どもの病気の中で意外と多く、適切に診断、治療をしないと、重篤な合併症を起こす可能性がある病気の一つです。

「川崎病」の「川崎」とは、地名ではありません。

1967年に川崎富作という医師が発見した、発熱、リンパ節の腫れ、手足の指先の皮膚の皮がむけるなどといった症状を伴う、子どもに特有の病気です。

 

発見者の名前をとって、「川崎病」と名づけられました。

原因については、まだはっきりと分かっていませんが、ウイルスや細菌に感染したのをきっかけに、人の免疫が過剰に反応し、全身の血管に炎症を引き起こしてしまうのではないかと言われています。

日本人や韓国人などのアジア系の人種に多く発症すると言われています。

 

何歳くらいの子どもに発症しやすい?

ある研究では、3歳未満の割合が 70%程度で、その中でのピークは、男児が月齢 6~8 か月、女は月齢 9~11 か月という報告があります。

川崎病ではどんな症状が起こるの?

 

川崎病には特徴的な6つの症状があります。

6つの症状のうち、5つ以上がみられた場合と、4つの症状しかなくても冠動脈という心臓に栄養を送る血管に「こぶ」がみられた場合には、(定型)川崎病と診断します。

 

また、症状は完全に、そろわないものの、他の病気ではないと判断された場合には「非定型の川崎病」とされています。

主な症状

  1. 5日以上続く発熱(38度以上)

  2. 発疹

  3. 眼球結膜(白目の部分)が赤くなる(=充血)

  4. 唇が赤くなったり、舌がイチゴ状に赤くなる

  5. 手足の腫れ(熱が下がってから手足の指先の皮がむける)

  6. 首のリンパ節の腫れ

この症状のほかに、BCG接種部位が赤くはれるという症状も特徴的です。

その他にも、全身の血管の炎症が起きるために、関節の痛み、下痢などのお腹の症状などがあります。

川崎病にはどんな治療をするの?

 

発症した直後の急性期には、炎症を抑える治療が必要になります。

この急性期にしっかりと炎症を抑えないと、心臓に栄養をおくる血管(冠動脈)に炎症が起こり、それが進行すると、血管に「こぶ」ができ、冠動脈に血の塊がつまり、「心筋梗塞」を起こしてしまうこともあります。

 

具体的に炎症を抑えるためには、以下の治療法を選択します。

  1. ① アスピリンの内服

  2. ② γグロブリン(血液製剤)の投与

  3. ③ ステロイドの投与

  4. ④ 抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体(血液製剤)の投与

  5. ⑤ 多価・酵素阻害剤の投与

など

このような治療法から、病気のフェーズ、症状の程度などを考慮し、治療法を選択します。

他にも有効な治療法について、様々な研究が行われています。

 

多くの場合は、①、②の治療で炎症は抑えられるケースが殆どです。

 

炎症がおさまった後には、心筋梗塞の予防、血栓ができるのを予防するため、血小板の働きをおさえるアスピリンなどの抗血小板薬を継続して服用することが必要です。

 

また、心臓の冠動脈の様子をエコーにて、観察したり、心電図異常などがないかを定期的に観察していく必要があります。

 

まとめ

川崎病は、一見、風邪の症状と見分けがつない場合があります。

子どもの症状の変化をしっかりと観察し、本日ご紹介したような、特徴的な症状がある場合には、その旨を主治医の先生にしっかりとお伝えください。

 

川崎病を、治療せず、心臓の冠動脈に炎症が起こり、冠動脈瘤(血管のこぶ)ができてしまうと、心筋梗塞などを引き起こし、命を落としてしまうこともある病気です。