こどもが熱を出した時の対処法

解熱剤の正しい使い方

こどもが熱を出しても慌てずに

お子さんが夜中に急に熱を出したりすると不安になられるかと思いますが、熱が出たからといってすぐに解熱剤を使わなければいけないわけではないので、慌てずに対応しましょう。

【3カ月未満の場合】

3か月未満のこどもが発熱した場合、高熱の裏に重篤な疾患が隠れていて、急激に症状が変化する場合があります。3か月未満のお子さんが高熱(38度以上が目安)を出したら、迷わずに医療機関を受診いただくことをおすすめします。

熱が出たときの対処法

お子さんが急に発熱した場合は、 まず、以下2点を把握してください。

  1. 意識ははっきりしているか?(痙攣はしていないか?)

  2. 顔色は悪くないか?

  • ​苦しそうではあるが意識がはっきりしている

  • 周囲に興味を示し痙攣もなく顔色も良い

といった状態であれば、無理に医療機関を受診せず、ひとまずお子さんをゆっくり休ませて、発熱による苦痛を和らげるホームケアをしてあげましょう。

しかし、

  • なんだか呼びかけに対して反応が悪い

  • 顔色が悪く、唇の色も青い

  • 痙攣している

などの症状が見受けられる時は、医療機関を受診して下さい。

ご自宅でできるホームケア

急な発熱時のお家での対応方法として、一番良いのが氷嚢、水枕などによるクーリング(冷やす)です。

おでこに貼って熱を和らげるものもありますが、それらはあまり効果がなく、氷嚢、水枕の方が効果的です。

氷嚢、水枕の使い方

効率よく体温を下げる氷嚢、水枕の使い方をご説明します。

 

体の中でも、大きな血管が走っている"首回り"や"足の付け根"などを重点的に冷やすと効果的です。とはいえ、あくまで、苦痛をとってあげるための一時的な処置と考えてください。

 

解熱剤も同様です。

解熱剤は病気自体を治す薬ではありませんので、何回も解熱剤を使っても、その病気自体が治らなければ、解熱剤の効果が切れた後に再び発熱してしまいます。

 

また、病気の強さや個人のによっても解熱剤の効果に差が出ます。

「解熱剤を使ったのに熱がよくならない」ということでご来院される方がいますが、ここに書いたような以上の点からすると、病気自体が治らなければ当然の話なのです。

熱を出したときの服装

熱が上がっているときは、手足は冷たくなり震えがでますので、その時は体を温めてあげてください。逆に、熱があがりきると手足は暖かくなるので、その時は熱がこもらないよう薄着にしてください。

解熱剤の種類・使い方

こどもの発熱のほとんどは、ウイルス感染による風邪(上気道炎や咽頭炎など)が原因です。そして風邪には特効薬がなく、症状をできるだけ和らげ、本人の免疫力で治すのが基本です。

咳、痰などの症状が強いと、眠れなかったり、食事がうまくとれなかったりするために、風邪の薬(咳止め薬、痰切り薬)を飲み、こどもの体力が落ちないようにサポートするのです。

 

解熱剤の正しい使い方

解熱剤も同じような考え方に基づいて使用します。

熱が高いと不機嫌になったり、ボーっとして水分や食事がとりにくくなり、眠りにつけないこともあります。発熱による苦痛が強い場合には、解熱剤を使い体温を少しでも下げて症状を取り除いてあげましょう。そうすることで、食事、水分がうまく取れ、体力を消耗させることなく回復へ導いてあげることができます。

 

しかし、解熱剤は病気自体を治す薬ではありません。発熱を起こしている物質の流れを止め、熱を一時的に下げるだけですので、平熱まで下がる場合もあれば、病気の勢いが強く使用してもなかなか下がらないこともあります。あくまで症状を一時的に和らげる薬なので、楽にしてあげるために使用してください。

解熱剤の種類:内服薬と坐薬

解熱剤には、内服薬と坐薬の2種類があります。成分は一緒ですので、効果としては同じと考えてください。

熱が高くてぐったりしているお子さんになかなか、内服薬で飲ませることが困難なことがあります。そのような時は坐薬を使用するのが便利です。診察の際にご希望の薬の形態を医師にお伝えください。

解熱剤の使い回しは避け、体重に合った量で使用しましょう

こどもの解熱剤は、お子さんの体重に合わせて処方していますので、ご家族で同じ解熱剤を使い回したりすることは避けてください。思いがけない副作用が出る可能性もあります。

また、1回解熱剤を使用したら、6~8時間はあけて使用しましょう。用法、用量を必ず守ってください。

どうして熱がでるの?

こどもの体調変化で特に多いのが、急な発熱です。

発熱とは、体内に侵入した病原体などをやっつけようとする正常な反応です。

​発熱は病原体をやっつける正常な反応

人間の体は、外からウイルスやバイ菌などの病原体、異物が侵入してきたときに、白血球という血液の成分が動き出してやっつけようとします。白血球は体の「警察官」であり、悪いものを捕まえてやっつけます。白血球は平熱よりも高い温度で働きだすため、「熱が上がる」という体の反応は、体を守る防衛反応であり、白血球が病原体、異物と戦っている証拠なのです。

さらに、風邪などのウイルスは熱が低いほうが繁殖しやすい性質をもっていますので、やっきになって体温を下げる必要はないのです。

病気にならないようにする正しい反応ですから、熱が出たからすぐに解熱剤を使うというのは、必ずしも適切ではありません。

とはいえ、あまりにも熱が高く、ぐったりして水分もちゃんと取れないような状態であれば話は別です。

そのままでは体力をどんどん消耗してしまいますので、解熱剤や氷、水枕などで冷やしてあげましょう。苦痛がとれ、体力の消耗を防ぐことができます。

 

高熱が脳に影響することは?

「40度も熱があって頭がおかしくなるんじゃないか」とご質問を受けることがありますが、40度の発熱でも、痙攣などもなく意識がはっきりしていて顔色もよさそうであれば、問題はありません。しかし、意識状態が悪い、ぐったりして反応が悪い、顔色が悪いといった熱以外の症状もある場合には医療機関を受診して相談しましょう。

​熱の持続期間について

3日以内でおさまるようであれば、風邪などを原因とする発熱と考えられますが、発熱が4日以上と長く続いている場合には、医療機関を受診していただき、風邪などのウイルス感染以外に原因がないか判断する必要があります。

まとめ

改めて申し上げますが、熱が出たからといって、すぐに医療機関を受診して解熱剤をもらって使用しなくてはいけないということはありません。​

風邪をひけば熱が出ます。そして、風邪の場合には3日間ほど熱が続くこともあります。

熱以外に重篤な症状や気になる症状がないか、熱が4日以上続いていないかを目安に受診していただくと、お子さんの負担になる頻回の受診が減らせると思います。

保護者の皆様がこどもたちの症状をじっくり観察し、自宅で行えるケアをしっかりと行っていただくことがとても重要な治療になるのです。

 

保護者の方々がこどもたちの病状を観察し、そしてそれを責任と愛情を持って判断することで「見守られている」という感覚がこどもたちに伝わります。それがこどもたちに安心感をもたらし、こどもたちの成長発達の助けにもつながります。

 

どうしても判断に困るときは医療機関にご相談ください。ただし、3か月未満のお子さんの発熱の場合には躊躇せず医療機関を受診してください。