乗り物酔いの原因・予防方法

  • 子どもに対して、病院で出すことのできる乗り物酔いの薬はありません。

  • 「酔うかも」という不安が症状の出現に大きな影響を及ぼします。

  • 乗り物酔いがひどくならないようにするための工夫を行い、お子さんと一緒に心と体の準備をしましょう。

乗り物酔いとは

 

自律神経失調の症状

乗り物酔いは、船、自動車、飛行機などに乗った時に生じる、

  • 吐き気、

  • 嘔吐

  • あくび

  • 生唾

  • 顔面蒼白

  • 冷や汗

といった自律神経失調の症状をいいます。

 

 

2-3歳ごろから起こり始め、年齢が上がるとともに増えていき、小中学生の約40%が乗り物酔いになりやすい状態にあると言われます。

12-15歳をピークに、症状が出なくなっていきます。

症状は、乗り物から降りるとともに回復しますが、楽しいはずの遠足などの行事が気の重いものとなり、子どもにとって大きな負担となることがあります。

 

そのため、適切な対処法を理解しておくことが、子どもの心理的、身体的負担を軽減させることにつながります。

どうして乗り物酔いはおこるの?

詳しくはわかっていませんが、

  • 内耳に伝わる連続的な揺れ(加速度刺激)

  • 目に映る周りの景色などの視覚刺激

  • 体の筋肉で感じる知覚

などとの調和がとれなくなって感覚に混乱が生じると、自律神経失調状態となり乗り物酔いが起こると言われています。

 

乗り物酔いに効く薬はあるの?

子どもに対して病院で出すことのできる乗り物酔いの薬はありません(成人用の薬を割ったりして使用しますが、適応外処方となります)。

薬局などで販売されているお薬の中には、就学前の子どもにも使用できる酔い止めが存在します。

購入される場合には、薬剤師さんに相談し、適応年齢かどうかを確認するようにしましょう。

 

これらのお薬には、抗ヒスタミン剤という、少し眠くなる成分が入っています。

めまいをやわらげる作用の他、不安症状を緩和し、鎮静する効果を狙っています。

また、副交感神経遮断作用により吐き気を抑えるスコポラミンの他、中枢神経系を興奮させるキサンチン誘導体、テオフィリンなどが配合されていることがあります。

 

これらの成分の中で、「乗り物酔いに有効である」という証拠があるのは、スコポラミンのみです。

 

抗ヒスタミン剤は眠気を引き起こすため、乗り物から降りた後もぼんやりしたり、眠くて活動性が低下するおそれがあります。乗り物から降りた後、どんな活動をするかによって、お薬を飲んだ方が良いかどうか判断するとよいでしょう。

 

また、酔うかもしれないという心理的不安は、実際の症状出現に大きな影響を与えます。

お薬を飲ませるときには、これで安心、という雰囲気を出すようにしたほうが効果的です。

乗り物酔いをひどくしないための工夫

 

「酔ってしまったらどうしよう」という不安は、実際の症状が出るか出ないか、症状の重さ、回復のスピードなどに大きな影響を与えます。

こうすると症状が出にくい、という工夫を知っておくことは、酔わないために、また酔ってしまってもひどくならないために、とても大切です。

 

以下に挙げたチェックポイントを、お子さんと一緒に一つ一つ確認し、お出かけ前に心と体の準備をしておきましょう。

 

  • 睡眠をしっかりとる

  • 空腹、食べ過ぎの状態で乗り物に乗らないようにする

  • なるべく進行方向を向く

  • 前方に見える、遠くの静止した景色を視野の中心に据えて眺めるか、眼を閉じる

  • 頭をむやみに動かさず、体をできるだけ安定させる

  • 読書、ゲーム機や携帯電話の操作などはさける

  • バスの場合、揺れが少ない車両前方に座る

  • 酔うかもしれないという心理的不安を軽減させるために、音楽を聴いたり、眠ってしまう

  • 吐いてしまった時のために備え、吐物を入れる袋、タオル、着替えを用意しておく