舌下免疫療法(アレルゲン減感作療法)
舌下免疫療法が保険診療で受けられるようになりました!
-
注意事項
-
-
スギ花粉症に対する舌下免疫療法の流れ
-
舌下免疫療法を受けられない方
-
注意が必要な方
-
-
-
主な副作用
-
アナフィラキシー
-
もくじ
舌下免疫療法について
舌下免疫療法につきましては、対応可能なクリニック・曜日・時間帯に限りがあるため、事前に各クリニックにお問合せ下さい。
相談のみのご来院も歓迎です。
▶ご予約はこちら
※備考欄に「舌下免疫療法を希望」とご記載をお願いします。
舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)とは
以前は、アレルギー物質に触れること自体が、すべてアレルギーの原因のように信じられていました。
しかし現在では、アレルゲン(アレルギー物質)に「慣らす」ことによって、アレルギー反応を緩和できることがわかってきました。
これをアレルゲン免疫療法と言います。
アレルゲン免疫療法は、100年以上も前から行われている治療法です。
従来はアレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が主流でしたが、その後、治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場し、ご自宅でも服用できるようになりました。
現在、アレルギー性疾患のうち、「花粉症」「アレルギー性鼻炎」「気管支喘息」などに対し舌下免疫療法が行われています。
厚生労働省でも「舌下免疫療法の効果に関する研究」を実施し80%近い人に効果が認められたことから、2014年からアレルゲン免疫療法薬「シダトレン」によるスギ花粉症の治療が保険適用にて開始されました。
舌下免疫療法で期待できる効果
長期にわたり、正しく治療が行われると、アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状をおさえる効果が期待できます。
人によっては完治も期待できます。
症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の減量が期待できます。
舌下免疫療法の注意事項
-
治療前に、症状が対象アレルゲンによるものかの診断が必要です。(問診や検査を行います)
-
治療は長期間(3~5年)かかります。
-
すべての患者さんに効果が期待できるわけではありません。
-
臨床試験の結果では、約8割の方に効果がありました。
そのうち、約2割の方は症状が出なくなりました。
残りの約6割の方は症状が改善しました。 -
免疫をつくる治療法ですので、完全に治ることも期待できます。
-
スギ花粉の飛散時期(1月から5月)は開始できないため、スギ花粉に対する舌下免疫療法の開始は6月〜12月に限られます。(5月中に開始可能な場合もあります。ダニについては季節の定めはありません)
舌下免疫療法の流れ
スギ花粉症に対する舌下免疫療法の流れ
(薬剤によって多少異なります)
(1)初回診察
診察を受けていただき、場合によってはアレルギー検査を行います。
総合的に舌下免疫療法の適応を判断します。
※他院で取ったアレルギー検査結果があればお持ちください。検査が不要な場合があります。
(2)アレルゲンの初回投与
アレルゲンの初回投与をおこないます。
投与の後は、約30分間、院内で経過を見ます。
(3)はじめの14日間(増量期)
薬液は、1日1回、舌の下にしばらく保持した後、飲み込みます。
その後5分間は、うがい・飲食を控えてください。
はじめの14日間(増量期)は、投与するアレルゲンの量を少しずつ増やしていき、体に慣れさせます。
(4)15日目以降(維持期)
3週目からは、毎日同量の薬液を投与し続けます。
1ミリリットル入りの使い切りパックを用い、1日1パック全量を舌下に投与します。
これを3~5年間継続します。
舌下免疫療法を受けられない方
-
スギ花粉症/ダニアレルギーではない方
-
5歳未満の方(5歳以上から受けられます)
-
WHOの免疫療法指針にて推奨年齢が5歳以上ため、当院では5歳以上を推奨しております。
-
-
重い気管支喘息の方
-
悪性腫瘍(がん)や免疫系の病気がある方
注意が必要な方
-
アレルゲンを使った治療や検査によってアレルギー症状をおこしたことがある方
-
気管支喘息の方
-
65歳以上の方
-
妊婦の方、授乳中の方
-
抜歯後や口の中の術後、または口の中に傷や炎症などがある方
-
重症の心疾患、肺疾患及び高血圧症がある方
-
他に服用中のおくすりがある方
-
非選択的β遮断薬
-
三環系抗うつ薬
-
モノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI)など
-
-
全身性ステロイド薬の投与を受けている方
-
スギ花粉以外のアレルゲンに対しても反応性が高い方
舌下免疫療法の副作用
主な副作用
-
口の中の副作用
-
口内炎
-
舌の下の腫れ
-
口の中の腫れ)
-
-
喉のかゆみ
-
耳のかゆみ
-
頭痛 など
経過観察の上、症状が治まらない場合は直ちに受診が必要です。
約2%の方に現れます。
アナフィラキシー
医薬品などに対する過敏反応により、医薬品投与後多くの場合30分以内で、じんま疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然のショック症状(蒼白、意識の混濁など)が見られます
舌下免疫療法の詳細は下記サイトをご参照ください。