ヘルパンギーナと手足口病

  • 風邪のほとんどはウイルス感染で、夏には特にエンテロウイルスが流行します。
    口内炎などの特徴的な症状がなくても夏の熱はほとんどがエンテロウイルスによる風邪と考え
    られます。

  • ヘルパンギーナは、そのウイルスにより口内炎ができたり、突然高熱がでる喉の風邪です。

  • 手足口病も同じようにウイルス感染で起こり、手・足・口やお尻、ひざなどに水疱性発疹がみられますが、熱はあまり高くなりません。

  • 特に効果のある薬はないため、こまめな水分摂取と、解熱鎮痛剤による治療となります。

  • 登校・登園は熱がなく、食事が十分とれるようになれば可能です。

  • まれですが、重症の合併症を起こすこともあり、強い頭痛や嘔吐、意識障害、顔色不良、胸痛を伴うときは救急受診が必要になります。

ヘルパンギーナと手足口病​

​ヘルパンギーナとは

「ヘルパンギーナ」は、熱と口の粘膜にあらわれる小さな水ぶくれを伴う発疹、それに伴う痛みが特徴の疾患です。

ヘルパンギーナという名は「ヘルペス」=「水疱」、「アンギーナ」=「痛み」という意味があり、これがくっついて喉の強い痛 みを引き起こす「ヘルパンギーナ」という疾患の呼び名になりました。

 

流行りやすい季節と年齢

流行するヘルパンギーナのほとんどが、エンテロウイルス属のA群コクサッキーウイルスの感染によるものです。

特に、夏に流行する特徴があります。

 

患者の年齢は4歳以下がほとんどで、1歳代がもっとも多く、ついで2歳、3歳、4歳、0歳代の順で多い疾患です。

「手足口病」は同じエンテロウイルス属の感染症で喉や手足、お尻、ひざなどに水疱性発疹ができますが、あまり熱は高くなく軽症のことが多いです。

また、ヘルパンギーナや手足口病のような特徴的な症状がなくても、夏の熱性疾患ではほとんどがエンテロウイルス感染症と考えられます。

※エンテロウイルスとは、ピコルナウイルス科の多数のウイルスの総称です。

ポリオウイルス、A群コクサッキーウイル(CA)、B群コク サッキーウイルス(CB)、エコーウイルス、エンテロウイルス(68~71型)など多くの種類があります。

たくさんの種類があるため、同じ疾患に何度もかかってしまうのです。

感染経路と症状

集団生活での感染に注意

くしゃみや唾液を通じて感染する飛沫・接触感染、便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染する糞口感染があります。

特に、幼稚園や保育園では乳幼児間での接触が多く、集団発生することが多いことが特徴です。

 

急性期にもっともウイルスが排泄され感染力が強いですが、エンテロウイルス感染は回復後にも2~4週間の長期にわたり、便からウイルスが検出されます。

主な症状

感染後は2~4日間の潜伏期間があり、その後に症状が出現します。

 

ヘルパンギーナは発熱に続いて喉の粘膜の発赤がみられます。

口の中の喉の上側(軟口蓋、口蓋弓)に直径1~ 2mm、大きいものでは5mm程度に赤く腫れ、中心部に小さな水ぶくれを伴った発疹が出現します。

その水ぶくれは破れて、浅い潰瘍となり、痛みが出現します。

発熱については2~4日間程度続き、解熱後にやや遅れて粘膜疹も消失していきます。

手足口病は手のひら、指の間、足の裏、口の中、膝、お尻などに水疱性発疹がみられます。

発熱も約3分の1の人に出現しますが、あまり高熱にならないことが多いです。

ヘルパンギーナ、手足口病および夏風邪といわれるエンテロウイルス感染症は稀ですが、髄膜炎(強い頭痛、 嘔吐)、脳炎(意識障害、ふらつき)、急性心筋炎(著しい顔色不良、胸痛、呼吸困難)などを合併することがありますので、注意深い経過観察が必要です。

治療について

こどもの免疫力で治るのを待つ

こまめな水分補給を!

ウイルスによる疾患ですので、特効薬はありません。

喉の痛みなどから水分摂取が低下し、脱水を引き起こさない様にこまめに水分を摂取したり、症状を和らげる解熱剤などを使用しながら、こどもの免疫力で治るのを待ちます。

 

詳しくは「風邪の治療・抗生剤治療について」をご覧ください。

登校・登園

登校・登園は状態によって判断

症状から回復した後も、ウイルスは長期にわたって便から排泄されることがあるので、急性期のみの登校登園停止による、学校・幼稚園・保育園などでの厳密な流行阻止効果は期待ができません。

 

この症状の大部分は軽症疾患であり、登校登園については流行阻止の目的というよりも、患者本人の状態によって判断すべきであると考えられています。

そのためキャップスクリニックでは、完全に解熱しており、食事が十分に摂取できる場合は登園・登校可能と判断しています。